香港の医療IT企業Eventus Hong Kong Limitedが東京都に日本法人を設立し、日本市場での事業展開を進めている。JETROが2026年8月24日に同社の対日進出事例を公表した。同社は2016年に香港で設立され、AIと医療IoTを組み合わせたAIoMT分野のソリューションを開発している。

主力プラットフォーム「SEKHMET」は、分散して存在する臨床データやIoTデータを統合し、患者のバイタル情報をリアルタイムで監視・分析する仕組みを提供する。スマートフォンやPCなど既存端末を医療IoTハブとして活用できる構成を採用し、専用ハードウエアへの依存を抑えることを特徴としている。

中国・香港系テクノロジー企業の日本進出は、越境ECや小売だけでなく、医療、AI、ロボットなど専門性の高いBtoB分野にも広がっている。日本市場には高齢化や医療人材不足という需要がある一方、医療関連システムには安全性、個人情報保護、既存機器との接続性など高い要求水準がある。

日本企業にとって、中国・香港企業の対日進出は競合になるだけではない。病院向けシステム導入、医療機器接続、販売代理、保守、クラウド運用などで協業の機会もある。

ただし医療データを扱う事業では、個人情報保護、サーバー所在地、データの国外移転、医療機器該当性などを確認する必要がある。海外技術を日本へ導入する際には、技術性能だけでなく、日本の規制環境と現場運用に合わせる能力が事業成功を左右する。