深圳市商務局は9月7日、2026年度中央資金のうち「対外投資協力資助事項」に関する支援予定プロジェクトを公示した。深圳は中国企業の海外展開が活発な都市の一つであり、製造業、ICT、物流、越境EC、専門サービスなどの企業がアジアを中心に海外拠点を広げている。今回の公示も、企業の「走出去」を政策面から支える枠組みの一環である。
深圳市は第15次5カ年計画でも、企業の海外投資に関する届出・サービスの改善、海外でのコンプライアンス体制整備、産業チェーンの合理的な国際配置を支援する方針を明確にしている。中国企業の海外進出は、従来の工場建設や資源投資だけでなく、ブランド買収、販売会社設立、研究開発、物流拠点、デジタルサービスなどへ広がっている。
日本企業にとっては、中国企業の対外投資支援は競争要因であると同時に、事業機会でもある。日本市場への参入を検討する深圳企業に対し、会社設立、不動産、物流、販売代理、人材、M&A、税務、知的財産などのサービス需要が生まれるためだ。特に日本では法人設立後の銀行口座、許認可、採用、事務所確保などに時間がかかる場合があり、現地事情を理解した支援会社の価値が高い。
一方、中国側の公的支援対象になっていることと、日本側で事業が成立することは別問題である。取引前には、中国法人の登記情報、海外投資届出の有無、資金送金経路、最終受益者、事業目的を確認し、日本側の外為法、投資審査、業法などへの対応も必要になる。