中国最高人民法院は2026年8月20日、「著作権民事紛争案件の審理における法律適用の若干の問題に関する解釈」の改正決定を発表し、9月1日に施行した。2020年改正著作権法との整合を図るもので、同司法解釈の大幅な改正は約6年ぶりとなる。
改正では、作品が「公衆へ公開された」と判断する基準を整理した。従来のように著作権者本人または許諾を受けた者による公開だけに限定せず、不特定の者に公開された場合を対象とし、実際に公衆が作品を認識したかどうかを要件としない考え方を示した。
また、公共の場所にある美術作品について、一定範囲で模写、撮影、録画した成果を利用できる合理的使用の考え方を明確化した。一方、元作品と同様の形で無断設置・展示・公衆伝達することまでは認められない。
新聞・定期刊行物の転載についても重要な変更がある。紙媒体とそれに対応するデジタル版には法定許諾が適用される場合があるが、インターネット情報サービス事業者間の相互転載については著作権者の許諾と報酬支払いが必要とされた。
中国でウェブサイト、EC、SNS、広告、動画配信を運営する日本企業にとって実務的な影響は大きい。他社記事、写真、イラスト、店舗アートなどを「ネットで公開されているから使用できる」と判断するのは危険である。中国法人だけでなく、日本本社が中国向けに制作する広告・コンテンツにも権利確認のフローを設けるべきだ。