中国国家金融監督管理総局は2026年8月28日、「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)」を公布した。施行日は2027年3月1日。不動産開発に流入する信託資金の用途を明確化し、案件管理と集中リスク管理を強化する内容で、中国不動産金融の資金管理を一段と厳格化する制度となる。
新制度では、不動産分野の信託業務を資産管理信託と資産サービス信託に分類し、投資対象も標準化資産と非標準化資産に区分する。信託会社には「1案件につき1担当者」の案件管理制度を設けることを求める。担当者には不動産開発・運営、融資、法務などの実務経験が求められる。
特に重要なのが資金用途の管理だ。不動産開発案件に信託資金を使用する場合、案件実施企業が直接の融資・資金使用主体となり、別案件や土地譲渡金、案件と無関係な支払いへの流用は禁止される。案件専用口座をメインバンクに開設し、信託会社と銀行が証憑を確認したうえで資金を拠出する仕組みも導入される。
さらに不動産信託業務残高を信託業務実収規模の5%以下、単一不動産企業グループ向け残高を不動産信託残高の20%以下などとする集中規制が定められた。
日本企業にとっては、中国の不動産開発会社や商業施設事業者との取引で、相手企業の資金調達方法を確認する重要性が増す。建材、設備、内装、設計などの受注では、契約金額だけでなく、プロジェクト専用資金が確保されているか、支払原資がどこにあるかまで確認することが債権管理上のポイントとなる。