広東省東莞市は2026年8月、粤港澳大湾区の高度人材誘致策に基づき、2025年度分の個人所得税優遇措置の申請受け付けを開始した。対象は東莞市で勤務する「域外高度人材」と「緊急必要人材」で、科学技術局、人力資源・社会保障局がそれぞれ認定基準と申請要領を公表している。
制度では、対象者が東莞市で納付した個人所得税のうち、課税所得額に15%を適用して計算した税額を超える部分を財政補助する。補助金自体は個人所得税が免除され、1人当たり年間500万元を上限とする。2025年度分については、高度人材の申請が2026年9月20日、緊急必要人材が9月28日までとなっている。
この制度は広州、深圳、仏山、東莞、珠海など粤港澳大湾区の広東省9都市で進められている高度人材政策の一環である。中国では都市間で研究者、技術者、経営人材の獲得競争が続いており、所得税負担の軽減は外資企業の人材配置にも直接影響する。
日本企業が東莞市など華南地域へ研究開発責任者、工場幹部、技術者を派遣する際には、対象資格に該当するか確認する価値がある。特に給与水準の高い管理職では税負担差が大きくなる可能性がある。ただし外国人であれば自動的に適用される制度ではなく、職歴、専門分野、勤務実態、納税状況などの要件確認が必要だ。進出検討時には法人向け補助金だけでなく、駐在員・専門人材に対する個人税制も含めて地域比較を行うことが実務的である。