2026年9月9日、北京の首鋼園で開催中の中国国際サービス貿易交易会において、「企業知的財産出海」専門イベントが開催された。世界知的所有権機関(WIPO)中国事務所と北京市知識産権局が共同主催し、中国国内外の政府機関、国際機関、司法関係者、大学、知的財産サービス機関、企業などから100人を超える代表が参加した。
中国企業の海外進出が増える中、商標、特許、著作権、営業秘密などを進出前にどのように確保するかが重要な課題となっている。海外でブランドを展開した後に商標が登録できない、代理店との契約終了後にブランド利用を巡って争いになる、といった問題を防ぐには、市場参入前の権利確認が必要となる。
この動きは日本企業にとっても重要である。中国企業が日本へ進出する際、日本企業が販売代理店、共同開発先、OEM先、サービス提供者として関与するケースが増えている。その場合、商標や技術の帰属、共同開発成果の権利、顧客データの取り扱いなどを契約で明確にする必要がある。
反対に、日本企業が中国へ進出する場合も、知的財産の事前登録は依然として重要である。中国で使用する中国語ブランド名、ロゴ、製品デザイン、ソフトウエアなどは、日本で権利を持っているだけでは十分でない場合がある。商談前にどの情報を開示するかを決め、必要に応じて秘密保持契約を締結することも基本となる。今回のイベントは、中国政府が企業の海外展開支援を金融や物流だけでなく、知的財産まで含む総合サービスとして強化していることを示している。日中双方の企業にとって、知財管理は市場参入後の問題ではなく、取引開始前から準備すべき実務項目である。