北京自由貿易試験区の機能を周辺地域へ拡張

北京市は、中国(北京)自由貿易試験区と周辺地域を連携させる「連携発展区」の建設プランを発表した。対象には海淀区、昌平区、朝陽区、順義区、通州区、大興区、北京経済技術開発区に加え、豊台区、石景山区、門頭溝区、懐柔区の一部が含まれる。単独の開発区を拡張するというより、北京市内に分散する研究機関、製造拠点、物流機能、企業サービスを産業別に結び付ける構想である。

4分野を重点産業に設定

重点産業には人工知能、医薬・ヘルスケア、集積回路、商業宇宙が挙げられた。AIでは海淀区の研究開発力、石景山区の人型ロボット、順義区の自動運転、北京経済技術開発区の製造・応用機能などを結ぶ。集積回路でも設計、製造、試験、応用を地域ごとに分担し、一つの都市圏の中で産業チェーンを完成させる狙いがある。

日本企業は都市名より産業集積を見る必要

日本企業にとって重要なのは、北京進出を検討する際に、市中心部か郊外かという単純な立地比較ではなく、自社事業に必要な研究機関、顧客企業、部品供給会社、人材、物流拠点がどこに集まっているかを確認することである。半導体装置、医療機器、ロボット部品、AI関連サービスなどでは、周辺企業との距離が開発速度や営業効率に直結する。

制度面の横展開にも注目

自由貿易試験区で試行されてきた制度や企業サービスを連携発展区へ広げる方針も示されている。外資企業にとっては行政手続き、人材政策、研究開発支援、通関、データ管理などがどの程度共通化されるかが実務上の注目点となる。進出判断では補助金だけでなく、具体的に利用可能な政策と適用条件を確認する必要がある。