北京経済技術開発区(亦庄)は2026年中国国際サービス貿易交易会に100社を超える企業で参加し、人型ロボット、商業宇宙、人工知能、バイオ医薬、情報技術などの分野で100点を超える製品・ソリューションを展示した。北京亦庄は近年、「全域人工智能之城」を掲げ、AIを単独産業としてではなく、製造、都市サービス、物流、医療などへ実装する政策を進めている。

展示内容は、智能サービス、宇宙インフラ、生命科学、情報基盤など複数の分野に分けられており、先端技術を実際の産業シーンに導入することを意識した構成となった。中国のAI産業を見る際は、大手プラットフォーム企業だけでなく、地方政府が産業団地や実証環境を整備し、ロボット、部品、ソフトウエア、データ、顧客企業を地域内に集積している点が重要である。

日本企業にとっては、中国企業との競争だけでなく、部品、センサー、精密加工、材料、製造装置、品質管理などで協力できる余地がある。人型ロボットや商業宇宙は完成品が注目されやすいが、その周辺には大量の部材や加工技術が必要となる。日本の中堅・中小企業が持つ技術がサプライチェーンに入る可能性もある。

一方、中国の先端技術分野では輸出管理、技術移転、知的財産、データ管理などのリスク確認が不可欠である。展示会で技術交流を行う場合も、開示する技術情報の範囲を事前に整理し、秘密保持契約や共同開発契約を適切に設定する必要がある。亦庄の動きは、中国の地方開発区が単なる工場誘致から、AIを軸とした研究開発・製造・市場実証の一体型拠点へ変化していることを示している。