中国工業情報化部は2026年8月26日、「十五五」計画の実施と新型工業化について説明し、今後の製造業政策の重点分野を明らかにした。集積回路、航空宇宙、バイオ医薬、低空経済、新型蓄電、智能ロボットなどを新興支柱産業として育成し、量子科技、生物製造、水素、核融合、ブレイン・コンピューター・インターフェース、具身智能、6Gなどを将来産業として成長させる方針である。
中国の産業政策を見る際、重要なのは個別の製品補助だけではなく、産業集積、研究開発、実証、設備投資、金融支援などを組み合わせて市場を形成する点にある。工業情報化部は智能工場や高標準デジタル園区の建設、製造業のデジタル化・ネットワーク化、グリーン転換も進めるとしている。
AIについては「人工智能+製造」を重点とし、高性能訓練チップ、マルチモーダルアルゴリズム、人型ロボット、ブレイン・コンピューター・インターフェースなどの技術開発と、製造現場への実装を同時に進める。日本企業にとっては競争分野である一方、センサー、精密部品、製造装置、材料、品質管理などで協業余地が存在する。
また中国側が国家新興産業発展示範基地を整備し、2035年までに100程度の示範園区と1,000程度の示範企業を育成する目標を示していることは、地方政府の招商政策にも影響すると考えられる。今後、各地の開発区がAI、ロボット、新エネルギーなどを掲げた企業誘致をさらに強める可能性が高い。
日本企業は「中国全体」を一つの市場として見るのではなく、どの都市が自社産業を重点分野に指定しているかを調査することが重要である。技術協力では知的財産、共同開発成果の帰属、データ管理などを契約段階で明確にする必要もある。