JETROは8月24日、香港日本人商工会議所と共同で、広東省・粤港澳大湾区の消費市場をテーマにしたセミナーを開催した。香港に拠点を置く日系企業・団体から59人が参加し、広東省の経済・生活トレンドや、飲食、日用品、小売、サービス分野の日系企業が市場開拓する際の機会と課題が紹介された。

広州市や深圳市では、国内外ブランドの「初出店」を誘致するための補助制度や行政支援が整備されている。JETROによると、日系ブランドが実際に支援対象となった例もある。中国の沿海大都市では、単純に店舗数を増やすのではなく、新しいブランドや体験型店舗を導入して商業施設の集客力を高める政策が進んでいる。

日本企業にとって大湾区は、広州、深圳だけでなく香港やマカオを含む巨大消費圏として考える必要がある。それぞれ制度、通貨、税関が異なる一方、消費者や観光客の移動が活発で、一地域でブランド認知を高めることが他地域の販売につながる場合もある。

一方、中国本土へ商品を販売する場合と香港で販売する場合では輸入規制や税制が異なるため、物流を一体化できないケースも多い。店舗展開では賃料、人件費、デリバリー手数料、ECとの価格差なども確認が必要だ。大湾区を一つの市場としてマーケティングしながら、実務では地域ごとの制度を分けて管理するという二層構造が、日本企業の市場戦略では重要になる。