福建省では、すでに進出している外資企業が中国で得た利益を現地事業へ再投資する動きが拡大している。福建省政府によると、2026年1~7月に同省が促進した外資企業の利益再投資は43件、総額5.6億ドルで、前年同期比16.6%増となった。福建省の実際使用外資に占める割合は34.2%に達している。
利益再投資は、新規企業の進出件数とは異なる意味を持つ。既存企業が現地市場、サプライヤー、人材、行政サービスなどを実際に経験したうえで追加資金を投入するため、地域の投資環境に対する評価を示す指標になりやすい。福建省では電子情報、新エネルギー、先端材料、装備製造などの産業集積が進んでおり、外資企業の追加投資も産業チェーンとの連携を重視する傾向が強い。
日本企業が中国事業を考える場合も、今後は「進出するか撤退するか」という二択だけでは判断しにくい。既存法人を維持しながら製造機能を縮小して研究開発・営業機能を強化する、利益を再投資して自動化設備を導入する、地域を変更して新拠点を設けるなど、複数の選択肢がある。
また、中国では境外投資家が中国国内で得た利益を再投資する場合の支援策や税制上の措置が強化されている。もっとも、実際の適用では投資主体、再投資先、資金経路、業種などの条件確認が不可欠である。地方政府の発表数字だけを見るのではなく、自社の中国法人の利益処分、配当、増資、持分変更などを会計・税務・外為の各面から検討することが重要となる。