中国で回転ずしチェーン「スシロー」を展開する北京寿司郎餐飲は8月14日、山東省青島市の大型商業施設「青島万象城」に青島市1号店を開業した。2025年2月に済南市で開業した山東省1号店に続く同省2店舗目となる。JETROによれば、開業時には平日にもかかわらず多数の客が集まり、長時間の入店待ちが発生した。
スシローの中国大陸進出は2021年に広東省広州市から始まり、その後、深圳、成都、天津、北京などへ店舗網を広げてきた。今回の青島出店は、中国市場での展開が一部の一線都市だけではなく、地域の主要都市へ広がっていることを示す例である。
日本の外食企業が中国へ進出する際、知名度だけで成功できるわけではない。商業施設の立地、客単価、食材調達、食品安全、従業員教育、デリバリー対応、SNSでの評判管理など、店舗運営全体が競争力を左右する。特に中国では大型商業施設が飲食・小売ブランドの重要な集客拠点となっており、施設運営会社との関係や出店条件も事業計画の重要な要素になる。
今回の事例で注目されるのは、地方政府の招商促進部門や日系支援機関なども開業時に関わっている点である。日本企業が地方都市へ進出する際は、商業施設との交渉だけでなく、地方政府、JETRO、金融機関、現地パートナーなど複数の支援ルートを活用することで、許認可や物件選定、採用、取引先開拓を進めやすくなる。中国消費市場は競争が激しい一方、都市ごとに市場特性が異なるため、「中国市場」と一括りにせず、地域単位で出店戦略を設計する必要がある。