研究成果を市場につなげる制度を整備
深圳市科技創新局は「深圳市科学技術成果の移転・事業化支援管理弁法」を公布した。制度の目的は、大学や研究機関で生まれた技術を企業へ移転し、実際の製品や事業として市場へ投入する仕組みを強化することにある。深圳はIT、通信、EV、ドローン、ロボット、医療機器などの企業が集積する一方、今後の競争力維持には基礎研究と産業をつなぐ技術移転機能の強化が不可欠となっている。
支援は3類型
新制度では「技術契約支援」「技術移転機関補助」「上級職業技術マネジャー補助」の3類型を設けた。技術契約支援では、深圳市内で実際に事業活動を行う法人などを対象とし、一定条件を満たす技術契約を支援する。さらに専門性の高い技術移転機関や、研究者と企業を結ぶ技術マネジャーの育成も政策対象としている。
日本企業にも共同研究の接点
日本企業が中国で研究開発を行う場合、自社単独で研究所を設ける方法だけでなく、中国の大学、研究機関、スタートアップと共同研究を行う方法がある。深圳の技術移転制度が整備されれば、特許や研究成果を持つ機関とのマッチングや技術ライセンスの機会が増える可能性がある。
契約条件と知財管理を確認
技術移転では、研究成果の評価額、特許権の帰属、改良技術の所有権、秘密保持、第三者への再許諾などを契約で明確にしなければならない。中国企業と共同開発する日本企業は、補助制度の有無だけでなく、技術をどこまで共有し、成果を誰が所有するのかを事前に整理することが重要である。深圳の政策は、中国のイノベーション政策が研究支援から事業化支援へ一段進んでいることを示している。