JETROは2026年8月24日、香港日本人商工会議所と共同で「広東省・大湾区消費市場のいま」をテーマにセミナーを開催した。香港に拠点を置く日系企業・団体から59人が参加し、広東省の経済・生活トレンド、飲食、小売、日用品、サービス分野における日本企業の商機と課題を共有した。
粤港澳大湾区には香港、マカオに加え、広州、深圳、東莞、仏山などの巨大都市圏が含まれる。ただし一つの市場として一括して捉えることは難しい。所得水準、商業施設、消費者層、越境EC利用、ブランド認知、家賃などは都市ごとに異なるため、進出戦略も変える必要がある。
広州や深圳では、海外・国内ブランドの「首店」、つまり地域初出店を誘致する政策が進んでおり、一定条件を満たしたブランドに対する支援制度も整備されている。実際に日系ブランドが支援対象となった事例も紹介された。
日本企業にとって重要なのは、「中国進出」という大きな単位で判断せず、どの都市のどの顧客を狙うかを具体化することだ。香港を広東市場への情報・商流拠点とする方法もあれば、深圳や広州で直接店舗・法人を設ける方法もある。飲食・小売では、テスト販売、ポップアップ、EC、代理店販売を組み合わせ、段階的に投資額を増やす方法が有効である。華南市場では中国企業だけでなく国際ブランドとの競争も激しいため、価格以外の明確な差別化が必要になる。