重慶市発展改革委員会は2026年9月4日、「重慶市外商投資企業境内再投資奨励若干措置」を発表した。中国国内に設立されている外商投資企業が未分配利益を活用する場合や、海外投資家が中国国内で合法的に取得した人民元・外貨建て利益を再び重慶市内へ投資する場合などを対象に、再投資を促進する。
対象となる投資方法には、新たな企業の設立、既存企業への増資、中国国内企業の株式・持分・財産権などの取得、投資プロジェクトへの資金投入などが含まれる。新規の海外資金を呼び込むだけでなく、すでに中国で事業を行っている外資企業の利益を中国国内に再投資してもらうことが政策の重要な狙いである。
日本企業にとっては、中国法人に内部留保がある場合や、複数地域で生産・販売拠点を展開している場合に注目すべき制度である。新たに日本から資本金を送金する方法だけでなく、中国国内で生み出した利益を使って第二拠点や研究開発拠点を設置する選択肢が政策面でも重視されていることを示す。
ただし、再投資には税務、外貨管理、会社法、投資先業種の参入規制など複数の手続きが関係する。未分配利益を再投資する場合と、配当をいったん受け取って再投資する場合でも処理は異なり得る。重慶市の優遇策だけを見て判断せず、中国法人の財務状況、出資構造、税務コスト、資金移動方法を会計・法務の専門家と確認する必要がある。西部地域への生産移転や内陸市場開拓を検討する企業にとって、重慶が外資の再投資を制度的に後押ししていることは投資判断材料の一つとなる。