上海市統計局が公表した2026年1~7月の外資利用統計によると、上海で新たに設立された外商投資企業は3629社となり、前年同期比0.1%増加した。実際使用外資額は104.21億ドルで、前年同期比4.9%増だった。中国全体の対中直接投資を巡って慎重な見方もある中、上海では実行ベースの外資が前年を上回ったことになる。
業種別では、賃貸・ビジネスサービス業が34.30億ドル、卸売・小売業が26.91億ドル、科学研究・技術サービス業が20.47億ドルで上位3分野となった。特に卸売・小売業は前年同期比72.3%増、科学研究・技術サービス業も14.5%増となっている。外資が単純な製造拠点だけでなく、販売、サービス、研究開発、技術機能などへ広がっていることが読み取れる。
日本企業にとって上海は、中国市場への販売拠点だけではなく、長江デルタ全体の経営管理、研究開発、調達、物流、金融、人材配置を担う地域統括拠点として検討される都市である。上海市は今後もサービス業の開放、外資系企業の地域本部や研究開発センターの集積、先進製造業・高新技術分野への外資誘致を進める方針を示している。
ただし、外資額が増加したことをもって、すべての業界で市場環境が改善していると判断するのは早い。業種別の需要、競争、価格、雇用コスト、規制は大きく異なる。新規進出だけでなく、中国法人の再編や増資を検討する日本企業にとっても、上海市全体の数字と自社の対象業界の状況を分けて確認する必要がある。今後は外資の量だけでなく、研究開発、サービス、高付加価値製造など、どの機能への投資が増えるかが注目される。