スウェーデンの産業機器大手アトラスコプコは8月21日、大連市金普新区で新工場の起工式を行った。総投資額は約1億5,000万元で、敷地面積は約4万平方メートル。生産工場、研究開発センター、オフィス、物流倉庫を整備し、2027年7月末の竣工を予定している。
同社は新工場を中国における産業用流体事業の重要拠点と位置付け、自動化生産ラインとデジタル管理システムを導入する。製造精度やエネルギー効率、生産の柔軟性を高めるとともに、現地研究開発能力も強化する方針だ。
この案件は、中国への外資が一律に縮小しているという見方だけでは実態を捉えにくいことを示す。市場規模やサプライチェーン、顧客との距離に優位性がある産業では、グローバル企業が引き続き中国で追加投資を行っている。特に産業機器分野では、製造だけでなく研究開発とサービスを現地化する傾向が強い。
日本企業にとっても、中国事業を単に輸出先として考えるのではなく、現地顧客向け製品を現地で開発・製造するモデルを検討する余地がある。その場合には現地調達先の品質管理、知財、研究開発成果の権利、利益送金などを事前に設計する必要がある。大連は日本との物流アクセスや製造業の集積で歴史が長く、日系企業にとっても比較的情報を得やすい地域だが、投資条件は案件ごとに改めて検証することが重要である。